土地や建物を売却する時、譲渡所得税の計算をする時には、課税の対象となる課税所得を求めなければなりません。その計算に必要になるのが「取得費」です。「取得費」の中身を見るとかなり複雑になっているので、詳しく説明していきましょう。
■土地の売却では取得費の役割をみる
取得費の説明をする前に、土地や建物を売却すると譲渡所得税がかかります。譲渡所得税を求める為に、わかりやすいように2段階に分けて計算するのが一般的です。
1)最初に課税所得を求めます。
課税所得=「不動産を売った値段」-「取得費」-「譲渡費用」
2)次に譲渡所得税を求めます。これが土地や建物を売った税金になります。
「譲渡所得税」=「課税所得」×「税率」
以上のように、課税の対象となる価格を求める時に、「取得費」が必要なのです。
■取得費の内容は、複雑
取得費の内容とは、売却した土地や建物の元の値段を求める価格です。この内訳としては、土地や建物を購入した代金やその時の仲介手数料、建築した場合の代金や設備費用やリフォーム費用などの合計を出した上で、建物の価格を求める場合には、「減価償却費用の相当分」を差し引いた値段が「取得費」になります。
・土地や建物の購入費用
・購入の時に支払った仲介手数料
・購入した不動産の売買契約書に貼る収入印紙代金
・不動産の登記に、登録免許税や登録手数料
・建物の取り壊しや整地の費用
・リフォームや増改築に要した費用
・固定資産税及び都市計画税等の支払い分
・不動産取得税
・その土地を取得する為に使った立ち退き費用
・不動産購入の借り入れで利子の金額
これらの内容を把握するには、購入時の契約書で内容を確認する事ができます。購入や増改築などの領収書なども証明する為に必要になります。
■取得費の計算方法は2種類から選択できる
取得費を求めるには、2種類の計算方法から、自分に有利になる方法を選ぶ事が可能です。
1)実際の取得費の求める場合には、
上記に説明した内容の金額を、契約書や領収書の記載の通りに金額を計算する事で正確な費用を求める事ができるので、一般的にこの計算方法が用いられます。
2)概算取得費による求める場合には、
一方で、先祖代々の相続等による不動産は、昔の取得した経緯がわからない場合があるので、この計算方法を使用します。
・「概算取得費」=「収入金額」×5%
購入金額が不明の場合には、今回の土地や建物の売却費用の5%分を「取得費」として計上する事ができる方法です。単純に考えると「取得費」が高い方が税金の課税価格を減らす事ができるので「実際の取得費」の方が有利になります。
1965年以降に取得した土地においては、実際の「取得費」を使用した方がよいでしょう。戦前から代々受け継がれた土地については、逆に「概算取得費」の方が有利になる場合があるようです。どちらにしろ、自分に有利になる計算法を選択する事が大事です。
■土地と建物では、計算方法が異なる
建物の価格を求めるには、「減価償却費用の相当分」を差し引く事になっています。土地の値段には、老朽化という考えがないのですが、建物は年数によって老朽化の分だけ価値が減っていくと言う考え方です。
◎減価償却費の計算方法
定率法と定額法がありますが、一般的には定額法で計算します。
・定額法の減価償却費の計算
「建物の購入代金」×0.9×「償却率」×経過年数
◎「償却率」は建物の建築構造によって異なる
以下は建築構造と「耐用年数」に対する「償却率」です。
・木造のアパートの場合は居住用が33年で償却率「0.31」事業用が22年で「0.046」
・軽量鉄骨の場合は、居住用が40年で償却率「0.025」事業用が27年で「0.038」
・鉄筋コンクリートの場合は、居住用が70年で償却率「0.015」事業用が47年で「0.022」
※定率法の計算には税務署の届け出が必要です。「毎年一定率を償却する定率法」
■まとめ
土地や建物を売却すると譲渡取得税の為に課税対象所得を出さなければなりませんが、その中に含まれる「取得費」の求め方は複雑で数字に強い方でも慣れるには大変です。土地と建物でも計算方法が異なるので注意が必要です。このような計算などを含めた売却手続きを司法書士にまかせるのも一つの方法です。
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