不動産を売却する事による所得については、通常は損益通算する事ができません。しかし、特定の条件を満たす事によって、不動産売却による損益通算の特例の適用が可能になります。今回は、「損益通算の特例」について紹介しましょう。
総合課税と分離課税
確定申告を行う場合の手段として、給与所得は他の事業所得や家賃収入の不動産所得と合計して、マイナスが出た場合には、相殺できる「総合課税」の方法で計算を行います。一方、不動産を売却した場合には、「分離課税」として単独で課税の計算を行う仕組みになっています。通常この場合は、損益通算できない事になっています。マイナスの所得になった場合には、確定申告の必要がなくなります。マイナスの場合は、「譲渡損失」として扱います。
売却による損益の特例
■居住用財産の買換えの場合の損益通算と繰越控除
マイホームの譲渡損失を、特例を使う事で、「損益通算」をする事で、マイナス分を減らす事ができて、課税対象の金額が減る事で、大きな節税になります。また、損益通算で引ききれなかった「譲渡損失」を、翌年からそれ以降の3年間に渡って、「繰越控除の特例」を受ける事ができるのです。
■メリットについて
1-買換えをする事で、「住宅ローン控除」を併用して利用できます。
2-繰越控除は、住民税にも適用できます。
■居住用財産の買換えの条件
・不動産を売る場合に、売主が住居用として住んでいた事です。
・対象となる不動産の所有期間が5年以上の場合となります。売却する年の1月1日の時点で5年を超えている事です。
・売却の期限が、平成31年12月31日であり、現在は「令和元年」として2019年と同じ年号になります。
・敷地の売買に対しては、制限が500平方メートルまでとなっています。
■買換え資産の対象
・売却する年の1月1日又は、その前年から、売却の翌年の12月31日までに借り入れによって購入する事です。
・購入した年の翌年12月31日までに住む事が条件です。
・住宅の床面積が、50平方メートル以上である事です。
・繰越控除を受ける年末の時点で、住宅ローンの残高がある事です。
・借り入れ先は親族以外の金融機関からの借り入れである事です。
■住宅ローン控除と併用
居住用財産の買換えにおいては、損益通算・繰越控除の特例と住宅ローン控除が、平成11年から重複適用する事が可能になりました。ただし、「住宅ローン控除」については、控除できる所得税額が対象です。控除できない金額の場合には減税する事ができません。
特定居住用財産の譲渡損失の特例
居住用財産を買換えなくても、売却によって出た損失について「損益通算」や「繰越控除」ができる制度になっています。
■譲渡資産の条件とは
・対象となる不動産の所有期間が5年以上の場合となります。売却する年の1月1日の時点で5年を超えている事です。
・一定の親族以外の人に対する売却でなければなりません。
・売却した住宅に対して一定の住宅ローン残高がある事です。
・売却の期限が、平成31年12月31日であり、現在は「令和元年」として2019年と同じ年号になります。
■転居等における条件
貸家や実家に引っ越しても適用に支障がないです。売却してからの転居等における条件は指定がありません。
※注意点
翌年に繰越できる損失の金額は、限られており、ローンの残債から売却物件の売却価額を引いた残額となっています。所得金額が3,000万円以下でないと利用できない特例です。住宅ローン控除については、適用外になっています。
まとめ
通常は、不動産売却による損益通算や繰越控除はできませんので、この特例の条件によって、損益通算や繰越控除と住宅ローンの控除などの適用で、節税効果が大きく期待できます。
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