不動産売却において、個人と法人では税金の種類が異なってきます。一般的には、不動産の売却は「譲渡所得税」として扱いをします。今回は「法人の場合の税金の扱いについて」説明しましょう。
「譲渡所得」の考え方
個人での収入がある場合には、「所得税」として確定申告を行います。不動産を売却した場合には、所得の種類として「譲渡所得」の計算によって求めます。売却した金額から「取得費」や売却にかかった手数料などの経費を差し引いて所得を求めます。それに対して、所有期間による税率をかけて「譲渡所得の税金」を計算します。
収入金額 - (取得費 + 譲渡費用)=課税譲渡所得
税額 = 課税譲渡所得 × 税率(所得税・住民税)
・短期譲渡所得:39.63%(所得税30.63%、住民税9%)
・長期譲渡所得:20.315%(所得税15.315%、住民税5%)
「法人税」について
株式会社などでは、会社の利益や損失が出ても、他の所得と合計して求めます。会計上の収益と、「法人税の規定」による所得に対して課税するものです。不動産売却の収益による金額が、他の所得と合計されて課税されます。個人との違いは、法人の方は所有期間による税率の違いがないことです。
■不動産の売却の計算は
・益金 = 売却額 -(売却した土地建物の簿価+譲渡費用)
・税額 = 益金 × 法人税率
個人の場合、不動産の基となる「取得費」に対しては、法人では「簿価」に記載された値段によります。土地の値段は購入時の金額となり、建物の「減価償却費」については任意ですので、計上で減価償却しない場合があるので、簿価による計算で求める事になります。他の所得と合計して計算されます。法人税の税率は、法人地方税と合わせて約23%になっています。ただし、資本金の額や、大企業と中小企業で税率が異なってきます。
個人の場合では、利益が出た場合に税金の課税が発生します。法人の場合は、不動産の利益を含めた会社の利益がある場合に対して課税されていきます。不動産の収益は部分的に関係しますが、法人税に直接関係していない事です。個人の税率よりも比較すると安くなる見通しです。
「利益の金額」と「法定実行税率」は以下の通りです。
・0~400万円の所得=21.4%の課税です。
・400~800万円の所得=23.2%の課税です。
・800万円以上の所得=36.0%の課税です。
※2015年4月1日以降から始まっている事業では、800万円以上の所得に対して34.3%の課税です。
■不動産の売却の捉え方
個人の場合の売却は処分する意味合いがありますが、法人の場合は投資の実行としています。
■建物の売却では、消費税の対象になる
個人の取引では消費税が発生しませんが、法人の場合は消費税の支払いがあります。ただし、2年前の課税売上が1000万円を超える場合に限っています。
■役員への売却は「低額譲渡」に注意
通常の取引では、個人も法人も仲介手数料などを含めて値段に差が出る事はありませんが、役員に売却した時に、適正価格より低くなる場合「低額譲渡」といいます。法人、役員ともに税金がかかるので注意が必要です。
まとめ
不動産売却した時の「法人税と所得税」の違いを紹介しました。会社が利益や税金を計算するために、売却日をいつにするかによって会社の利益に相違が出てきますので、経理と相談する事も必要です。消費税の対応にも注意したいものです。
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